ASa Project 12th Project ティザーサイト公開!!!

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昨年末にライターの八日なのかさんのTwitterや公式サイトで匂わせがあってから早4ヶ月、ついにASa Project新作の告知が公開されました。

 

という訳で、告知の段階でどこまで深堀ができるものなのか、やっていきましょう。

2週間後に答えが出るというのもちょうどいいですね。

 

1.新作告知サイト、過去との比較

アサプロの新作告知を見るのはフタマタ恋愛*1依頼2回目なので初めて知ったのですが、アサプロの新作告知はURL形式が共通しており、以前のものが簡単に見られるようになっています。なので、いったん過去の告知と比較して、今作にどのような特徴があるのか推察していきましょう。

11th Project:フタマタ恋愛

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空をバックに、煌か結愛のどちらかがランダムで表示されるシンプルなページ。

このページの特徴は、登場するヒロインを二人に絞っていることでしょう。この二人の二股関係が軸になることが、この時点である程度示唆されています。やはり、告知サイトの形式とゲーム本編の内容にはある程度の関連がありそうです。

 

10th Project:恋愛ロワイヤル

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恋ロワ公開!とでかでか書かれていますね、ここまでコンセプトがはっきりしているとサイト公開後に更新されたのかな、と思いましたが、過去ツイート*2

へぶら下がるリプライを見ても、ティザーサイト時点で恋愛バトル路線であることがかなり強調されていたようです。

 

9th Project: 恋愛、借りちゃいました

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レンタル依頼のメッセージをクリックすると実際にメッセージが読める、かなりの豪華仕様。

レンタル依頼であることが最初から強調されているあたり、コンセプトが最初から明確になっている印象。

 

8th Project:かりぐらし恋愛

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ヒロインたちの立ち絵の一部と一緒にComing soonの文字があるシンプルな作りですが、注目すべきはGの字のフォント。ぐるっとした矢印になっており、発表された後から見ると家を転々とするコンセプトの示唆が伺えます。

また、各ヒロインにフォーカスが移る描写もあり、これも同様のコンセプトの示唆なのでしょうか?

 

7th Project:スキとスキとでサンカク恋愛

https://www.asa-pro.com/7th/

でかでかと表示されるは404の文字。404角恋愛?実際には3角なのにな……。

アサプロ公式に告知ツイートは残っている*3ものの、何かしらのタイミングでサイトが消えてしまったようです。一番好きなタイトルの一つであるがゆえに見てみたかったが致し方なし。

 

とまあ、ここまで振り返ってみて分かるように、ティザーサイトには匂わせ程度でも新作に関する情報が含まれていることが分かります。

そのような目で、改めて新作のティザーサイトを見てみましょう。

12th Project:???????

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まず特徴的なのは、サイト読み込みの進捗を示すプログレスバーが途中で落ちて行ってしまうこと。この挙動は読み込み失敗とか割り込みのような雰囲気を感じますね、不穏だ……。

また、ヒロインの立ち絵の首から下が表示されるのは他のティザーサイトでもおなじみのようですが、今回は比較的目まぐるしく、各人の立ち絵の前後が入れ替わります。かりぐらし恋愛の方がコンセプト的にこうなってもおかしくないように思えますが、あちらは上述の通りフォーカスが移るのみ。

上記をまとめると、ティザーだけ見た印象では、じっとりと割り込み合いが挟まるような、激しいラブコメが見られそうな気がします。特に当てようという気概もないのですが、当たってたら…それはそれで嬉しい。

 

2. 各キャラについて

各キャラに関する情報が得られるのは、現在のところティザーサイト自体の立ち絵とティザーサイトへのリンクのシルエットのみ。

シルエットの左から見ていきましょう。

1. 唯一違う制服を着た子

まず目につくのが、黄色いカーデガンを羽織った、他の人と違う制服を着た子。シルエットを見る感じだと、少しこじんまりとした雰囲気を感じます。

有り体に言ってめちゃくちゃ好きです。こう、ちっちゃい子がだぼっと気味の服を着ているのが凄く性癖なので……。

他ヒロインの制服を見るに夏っぽいのにカーデガンというのは気になる点。過去には恋愛、借りちゃいましたのこなつが寒がりという設定でずっと厚着をしていた記憶がありますが、今回も同様の事情なのか。

ところで、学園ラブコメの雰囲気を醸し出しつつもヒロインで唯一違う制服を着ているという状況も少し気になるところではあります。主人公との接点がある上で違う制服を着ている、という点から妹に期待するところもあるのですが……まあここで期待しすぎてもしょうがない(こんな記事を書いている時点で手遅れ)。

でも、背景は学校っぽいし、ここがメイン舞台だとしたら1学校なのか…?疑問は尽きぬ……。

 

 

2.  淑やかに腕を組む、堂々とした立ち方の子

シルエットで見ると制服のリボン部分が手の甲に見えてがっつり腕を組んでいるように見えるのですが、ティザーサイトを確認すると手の甲が結構下にあります。とはいえ、まっすぐとした立ち方からは凛としたものを感じます。ショートヘアに二つ結びのリボンに、この堂々とした立ち方は、すごい強気な印象がしてとても良い!!!!!!!!

 

3. 前かがみに立つ、金髪の子

後ろ手に組んで前かがみに立っている所には、何と言うか人を勘違いさせる女の子の雰囲気を感じますね。これで笑顔だったら倍満は堅い。

過去作で言うと、恋愛、借りちゃいましたの八純が角度こそ違えど似たポーズをしていますね。あのいたずらっぽい雰囲気が継承されるのであれば嬉しい。

 

4. 髪型とその他がでっかい子

いや、でかいな…

立ち方が凄いまっすぐだけど、しっかりしきってないような雰囲気も漂うのがポイント。天然っぽいのか、それとも……。

 

全体を通して見ると、派手なポーズを取っていそうなキャラクターがいないというのも特徴の一つですね。サイトのレイアウトに乗っかったときに落ち着いた雰囲気になるのでしょうか。それはそれでこれまでと違った感じでいいのかもしれない。

まとまらない

改めて調べてみると、1ディザーサイトを取っても情報や示唆が詰まっているんですね。

ここで考えたことは大体外れるでしょうし、アサプロは個人的に信頼度が高いメーカーなので、今後もつぶさに情報を追っていきたい所存です。

ハミクリ総説 前編:ゲームでラブコメをやることの特長と、ハミクリの良さ #ハミダシクリエイティブ

この記事は、まどそふとより発売されている18禁美少女ゲーム「ハミダシクリエイティブ」およびその続編「ハミダシクリエイティブ凸」について、いかにして私が好きであるかを述べるものである。

 

1. ラブコメを「ゲーム」でやることの特長

 ハミダシクリエイティブという作品そのものの良さに触れる前に、まずは美少女ゲームの中でも私が好きなカテゴリであるラブコメについて、「なぜ多様なコンテンツの中から美少女ゲームを選ぶのか」、つまり何が好きなのかについて話していきたい。

 

1.1. 好きなキャラを攻略することができる

 まず一番目にして最大の特長は、美少女ゲームにおいては、ヒロインが複数いて、かつそれぞれのルートに進むことが出来る事である。

 例えば、漫画やライトノベルのラブコメであれば、数年付き合ってきた物語について、特定のヒロインのルートへと収束して行く場合がある。それはそれで、どのルートに収束するかを考える楽しさや、展開予想や各話の感想で盛り上がることが出来て特有の良さがあるのかもしれないが、個人的には合わないと感じることがある。

 まず第一に、ラブコメにおいては「メインヒロインに向かいにくい属性」があると考える。これは、私自身の思い込みというよりは、これまでの人生の中で触れてきたラブコメにおいて、恋愛の本丸へ踏み込む事を避けられていたキャラ属性に依るものだ。

 例えば積極的に場を引っ掻き回すお騒がせキャラ、ヒロインとの関係に悩む際に助言を行ってくれる友人…具体的な作品名はさておき、そのようなキャラが主人公に惹かれる様に良さを感じたのに、その後の失恋に心を折られたような経験が、私にはある。もちろん、そのような失恋の物語も悪いものではないのだが、恋愛が成就してほしかったのに成立しない事の寂しさは何とも言えないものがある。瀬川泉

 翻って、美少女ゲームにおいてはどうだろう。予告されている、メインヒロインあるいはサブヒロインにそのキャラクターが該当している限りにおいては、本編においてどのようなキャラクターであろうと、そのキャラを主軸とした恋愛ストーリーが展開されることが確約されている。自分の好きなキャラクターが「負けヒロイン」などという忌々しい言葉で一括りにされないことの何と幸福な事か!

 副次的な作用として、自分にとってのその物語の結論、所謂「正史」を自分で決めることが出来る事も、美少女ゲームの良いところである。一部のルートが納得いかなかったとしても、自分の中での物語の位置付けは自分ですれば良い。

 このようにして、自分で好きなルートを選び、自分の中での結論をつけることができると言う事が、美少女ラブコメの強みの一つである。

 

1.2. キャラクターを多面的に見ることができる

 1.1の発展としての話ではあるが、ルートが多数用意されていることによって、そのキャラクターと恋愛する時の顔と、そうでない時の顔を多面的に見ることが出来る。

 1.1でも軽く触れたとおり、ラブコメにおいて大事な要素の一つが、恋愛が成就しなかったヒロインの失恋模様にあることは否定できない。しかし、特定のヒロインのルートへ終始した場合には、成就するヒロインの失恋は見ることが出来ないし、失恋するヒロインの成就を見届けることが出来ない。

 一方で、1.1が該当するようゲームにおいては、自身のルートにおいては、一人のキャラクターについて、恋愛が成就するパターンと、恋人関係に至らないパターンを並行的に観測することが出来るのである。しかも、ヒロインがn人いるラブコメにおいて、1人のヒロインが恋愛に至らないパターンはn-1通り観測することが出来る、そのn-1通りの中で、ヒロインの根底にある価値観や、主人公に対する恋愛目線でない考え方を補完することも可能である。

 このように、特定ヒロインとの恋愛の物語でありながら、そのヒロインと恋愛に至らないパターンも同時並行的に観測できる、という事も、ラブコメ美少女ゲームでやることの良さの一つである。

 

2. ハミダシクリエイティブの特徴、あるいは特長

 さて、1のような要素を重視している私にとって、ハミダシクリエイティブ(以下ハミクリ)がどのように刺さっているのかを論じていこうと思う。

 ここから先はハミクリ本編の軽いネタバレを含むので、1で述べた要素を満たすような物語がやってみたくなった、と感じる人は、是非ともこのままブラウザバックしてハミクリを買ってみて欲しい、本当にいい物語なので…。

 

 また、今のところそこまでに至らず、ハミクリ本編をプレイしていないが、ここから先の文章を読み進める人は、キャラクターやストーリーの詳細は下記を参照されたし(リンク先R-18)。

madosoft.net

 

2.1 ヒロインの攻略の自由度と、ルートごとの補完性

 さて、まずは1で触れた私が美少女ラブコメにおいて重視している点について、ハミクリがどれだけ良かったかについて論じる必要があるであろう。

 ここでは、和泉妃愛(以下、妃愛)のキャラクターやルートに沿って、攻略の自由度やルートごとの相互補完について話していこうと思う。なぜなら、妃愛がめちゃくちゃに好きなので…。

 攻略の自由度について。妃愛は実妹という特性上、ヒロインとして攻略するための物語上の難易度は非常に高いものである(実際は選択肢を選ぶのみで行き着けるが)。しかし、美少女ラブコメにおいては、その難易度の高さは、ヒロインであるという前提があれば超えられるものである。他ヒロインからの好感度という壁を越え、兄妹恋愛という更に高い壁を超え、妃愛との正しい、あまりにも正しい未来へと到達出来るのである。ここには、物語の妥当性などという文句が生じる余地もない。プレイヤー自身が妥当性に疑問を持つのであれば、他のルートを自分の中での正しい歴史とすればいいのだ。

 ルートごとの補完性について。妃愛との恋愛は難易度が高いがゆえに、他ルートにおいての心情の吐露にも余念がないものである。他ヒロインのルートに至るにあたっても、恋愛に至らないまでも妃愛は兄妹関係としての智宏との繋がりが絶たれる事を恐れ、またどうにかして繋がりを保とうと尽力する…。このような、自分のルートに至らずとも、自分との繋がりは絶対のものとして保とうとする妃愛のある種いじらしい姿勢が、妃愛ルートの特異性、あるいは尊さを強調するものであると考える。

 

2.2. 文章の主観性

 ハミクリの他のラブコメ作品との大きな違いとして私が認識している部分は、その文章のほとんど全てが主人公である和泉智宏の主観によって構成されているという点である。

 一般的に、ラブコメにおいてはヒロインの視点がある程度伴うことが多い。それは、ヒロインの内面を描写するためであったり、ヒロイン同士のやり取りや一人での行動を補完するためであったり、様々な目的で行われるのであろう。

 しかし、ハミクリにおいてはそのヒロイン視点の描写をごくごく最低限に留めている。私の見間違えやミスがなければ、主人公の目で観測でき得ない部分の描写は、無印の鎌倉先輩ルートの入り口における、ツイートがバズるまでの過程のみである。

 これが物語においてどのように作用するか。主となるのは、ヒロインの内面が完全に理解できないことによる緊張感である。

 人間は誰しも、話すことと自分の真意は一致しないものである。どのように真意を語ったつもりであろうと、それは話し手の納得がいく論理に翻訳された結果であったり、隠したい思いを無意識に隠したものであったりする。

 このような、話し手の思いを強く反映させたやり取りが多く存在するのが、ハミクリの特長である。 

 例えば、常盤華乃ルートにおける、告白前のやり取り。当初は、華乃は「自分にはゲームとかでよくあるようなトラウマや乗り越えたい障害などない」と言う自負を持っていた。しかし、智宏とのやり取りを通じて、自分の見た目へのコンプレックスや、見た目を罵倒されたことへのトラウマを自覚するに至る。例え、それがいじめの一環で出てきた悪口だと自覚していても、拭えないトラウマは存在するものだ。

 例えば、ハミクリ無印共通ルートにおける、錦あすみとのやり取りの全般。お互いにお互いを好ましく思っているがあまり、嫌われたくないと言う思いから生じる微笑ましくもやや噛み合わないやり取りは、お互いの気持ちが半ば確定していたとしても、最後の一歩が踏み出せないがゆえに生じるものである。そのような微笑ましさともどかしさを、読者の側も智宏の主観から追体験することが可能なのである。

 このように、プレイヤー目線からも完璧にヒロインの気持ちを理解できないこと、あるいはヒロイン自身だって自分の気持ちに対して素直ではない事が、ハミクリを読むにあたっての油断できなさや楽しさを強調するものであると考えている。

 

さて、ここまでは一般的な良さに終始して来たが、後編では自分の特に好きな所にフォーカスしていきたい。自分の内面を表明することの恥ずかしさに耐えられたら…。